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机を動かしたら、仕事のチャンスが近づいた?

リサステのレイアウトを、少し変えました。

大がかりな工事をしたわけではありません。

今回動かしたのは、主に作業机の位置です。

これまでは、利用者さんが作業をする机が施設の比較的奥にありました。

そのため、リサステに会員さんが車で来られても、作業をしている場所から入口まで距離がある。

すぐに来客に気づけなかったり、気づいても接客場所まで移動するのに時間がかかったりすることがありました。

特に、歩くことに時間がかかる人にとっては、

「お客さんが来た。自分が対応しよう」思っても、実際に入口まで行くころには、別の人が対応している。

そんなことも起こっていました。

むしろ、運営側として「だったら、出来る人が対応するようにしよう」として運営していました。

でも、今回、高校生や大学生とデザインについて考えながらふと思ったのです。

その人が接客できないのではなく、接客しにくい場所に机を置いているのではないか、と。

人を変える前に、場所を変えてみる。

これまでのレイアウトでは、作業机は施設の奥側にありました。

そこで今回、机を入口に近い位置へ移動しました。

Before

作業する場所と、会員さんが来られる場所に距離がありました。

After

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、

作業机を入口に近づけ、作業をしながらでも来客に気づきやすく、接客に向かいやすい配置に変更しました。

机を数メートル動かしただけです。

でも、その数メートルによって、

「自分も接客できるかもしれない」という仕事の機会が生まれるのではないかと思っています。

接客することも、リサステの大切な仕事です。

リサステでは、ゴミを分別したり、片付けたりすることだけが仕事ではありません。

ありがたいことに、会員さんがここ最近増えていまして、そうなると接客の機会も増えてきています。

会員さんが来られたときに、

「こんにちは」と声をかける。

荷物を受け取る。

「これはどうすてればいいですか?」と聞かれたら案内する。

「ありがとう」と言っていただく。

こうしたやり取りも、大切な仕事の一つです。

そして、接客にはもう一つ大きな意味があると考えています。

それは、人とのコミュニケーションが生まれることです。

自分が声をかけたら、相手が返してくれる。

自分が案内したことで、お客さんが助かった。

自分の仕事に対して「ありがとう」と言ってもらえた。

そうした小さな経験が、

「今日、自分には仕事があった」

「自分がここにいる意味があった」

という実感につながることもあるのではないでしょうか。

だからこそ私たちは、できるだけ多くの人に、接客に参加できる機会をつくりたいと思っています。

「足が悪いから接客は難しい」で終わらせない。

歩くことに時間がかかる人がいる。

そのとき、

「では、その人には別の仕事をお願いしよう」

という考え方もあります。

もちろん、それが必要な場合もあります。

でも、その前にできることはないでしょうか。

入口から遠いのであれば、机を近づける。

移動距離が長いのであれば、働く動線を変える。

来客に気づきにくいのであれば、気づくための仕組みをつくる。

つまり、

人を仕事に合わせるだけではなく、仕事や環境の側を人に合わせてみる。

今回のレイアウト変更は、その小さな一歩です。

次は「音」をデザインしてみる。

ただ、机を入口に近づければ、すべて解決するわけではありません。

例えば、作業に集中していて、車が入ってきたことに気づかなかったらどうするか。

休憩室にいるときはどうするか。

目が見えにくい人だったらどうするか。

逆に、耳が聞こえにくい人だったらどうするか。

そこで今、山口県立大学の学生たちとも一緒に、

「音で働く環境をデザインできないか」

ということも考えています。

車が入ってきたことを、音で知らせる。

仕事の切り替えを音で伝える。

必要であれば、光やサインも組み合わせる。

大切なのは、「音を鳴らすこと」そのものではありません。

目的は、これまで参加しにくかった仕事に、参加できる機会をどうつくるか、

ということです。

「任される仕事を、ひとつ増やす。」ために。

今年度、mi&goでは、

「任される仕事を、ひとつ増やす。」ことを大切にしています。

そのために、利用者さん自身に頑張ってもらうことも必要です。

仕事を覚えることも必要です。

練習することも必要です。

でも、それだけではないと思っています。

私たち自身も、

机の位置はこれでいいのか、

この動線でいいのか、

この音でいいのか、

この仕事の分け方でいいのか、と問い続けなければなりません。

今回、私たちが変えたのは、たった机の位置です。

でも、

働く場所を少し変えることで、誰かの仕事のチャンスを一つ増やせるかもしれない。

その一つのチャンスから、お客さんとの会話が生まれる。

「ありがとう」が生まれる。

そして、それが仕事への自信や、働くことの面白さにつながっていくかもしれない。

そんな働く場所を、私たちはつくっていきたいと思っています。

リサステの働く環境のデザインは、まだ始まったばかりです。

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