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【m net】ゴミを片付けた先で、生活が動き始めた。

mi&goでは、地域の高齢者のお宅へ伺い、家庭から出るゴミを回収する「mネット」というサービスを行っています。

 

mネットについては、こちら。

 

通常は、毎月少しずつゴミを出していただくことを想定したサービスです。

 

しかし今回、在宅介護支援センターの相談員の方から相談を受け、少し違う使い方をすることになりました。

 

12か月分のサービスを、一度に使う。

 

毎月少しずつ回収するのではなく、家の中に溜まってしまったゴミを、

まず一気に処分する。

なぜ、そんな使い方をしたのか。

 

実際にサービスを利用された方と、

その方をmネットにつないでくださった在介相談員の方に、お話を伺いました。

 

「片付けたい。でも、片付けられない」

 

相談員さんは、高齢者やその家族から、介護や生活に関するさまざまな相談を受け、必要な保健・福祉サービスにつながるよう関係機関との連絡や調整を行っています。

 

その相談の中で、決して珍しくないのが、

家の中にゴミが溜まってしまっている

という問題だそうです。

 

本人に片付ける気持ちがないとは限りません。

むしろ、

「片付けたい」と思っている。

 

それでも、量が増えすぎると、自分だけではどうにもできない。

 

では専門の片付け業者にお願いすればいいかというと、今度は費用の問題があります。

まとまった量のゴミを処分しようとすれば、相応のお金が必要です。

 

その負担が難しく、

「お金もないし、仕方がない」と諦めてしまう。

すると、

ゴミがさらに増える。

家の中が不衛生になる。

ますます自分では片付けられなくなる。

そんな悪循環に入ってしまうケースがあるといいます。

 

ゴミがあることで、「次の支援」まで止まってしまう

 

今回の話を聞いて、私たちが特に考えさせられたのはここでした。

ゴミが溜まっている。

それ自体が一つの生活課題です。

しかし、問題はそれだけではありません。

 

住環境が悪化すると、他の福祉・介護サービスが家の中に入りにくくなることがあります。

本来なら必要な支援がある。

相談員さんも、その支援につなげたい。

 

けれど、その前に、

「まず、この家の中をどうにかしなければならない」という問題が立ちはだかるのです。

 

つまり、

ゴミの問題が解決しないことで、その先の支援まで止まってしまうことがある。

 

今回、相談員さんの話を聞いて初めて、私たちにもその一部の様子がよく見えてきました。

 

だったら、12回に分けなくてもいいのではないか

 

そこで今回、mネットを通常とは違う形で使うことにしました。

毎月1回ずつ、12か月かけて利用するのではなく、

12か月分をまとめて使って、まず家の中を片付ける。

 

必要なのは、

「毎月決められた回数だけ訪問すること」ではありませんでした。

 

その方が今抱えている問題を、まず動かせる状態にすることでした。

サービスの形に人の生活を合わせるのではなく、

目の前の困りごとに合わせて、サービスの使い方を変える。

 

今回は、そんな使い方になりました。

 

家が片付くと、人にも変化が起きた

 

そして実際に住環境を整えたあと、二つのケースで違う変化が生まれました。

 

一人の方は、その後、認知機能の低下なども踏まえ、介護保険の申請へ進むことになりました。

 

家の中の問題が一つ解消されたことで、相談員さんから、必要な次の支援へつなぐことができたのです。

 

 

もう一人の方には、別の変化がありました。

家がきれいになったことで、本人の意欲が上がり、

自分でもゴミを出してみよう、とする姿が見られるようになったといいます。

 

 

これは、私たちにとって非常に印象的な話でした。

ゴミを運び出した。

部屋がきれいになった。

そこで終わりではなかったのです。

 

環境が変わることで、

「自分でもやってみよう」という気持ちまで動くことがあるということでした。

 

利用されている方にも、聞いてみました

 

別のmネット利用者の方にも、利用前の状況について伺いました。

 

ある方は、

「燃えないゴミとか、ちょっと大きいゴミは出せなかった」と話してくださいました。

すぐに出せないため、どうしても家の中に溜まってしまう。

それが、mネットを利用するようになってからは、

「ありがたいです」

「片付きますね」

という言葉が返ってきました。

 

 

「ゴミを出す」。

それだけなら、ごく普通の日常生活の一部に見えます。

でも、

・重い。

・大きい。

 

・運べない。

・処分方法が分からない。

・集積場所まで持っていけない。

 

年齢や身体状況、経済状況によって、その「普通」が少しずつ難しくなることがあります。

 

そして、その小さな困りごとが積み重なることで、生活全体が動きにくくなっていくことがあります。

 

 

その仕事には、障がいのある人も関わっています

 

mネットのゴミ回収には、mi&goで働く障がいのある人たちも関わっています。

 

そこで、利用されている方に、そのことをお伝えしてみました。

「実は、回収に障がいのある人も一緒に来ているんですよ」

 

返ってきたのは、

「そんなの関係ないです」という言葉でした。

私たちは、この言葉がとてもいいなと思いました。

 

「障がい者が地域のために頑張っています」という話にしたいわけではありません。

 

その方にとっては、

障がいがあるかどうかより、

「ゴミを取りに来てくれる人」であることの方が大切だったのだと思います。

 

困ったときに来てくれる人。

仕事をしてくれる人。

助けてくれる人。

地域の中で必要とされる役割を担っている人。

 

「支える側」と「支えられる側」を、固定しない

 

高齢者も、障がいのある人も、

福祉の文脈では「支援される側」として語られることがあります。

 

でも、今回起きていたことは少し違いました。

生活に困りごとを抱えている高齢者がいる。

その困りごとを、

mi&goで働く人が、仕事として解決する。

家が片付く。

高齢者の生活が動き始める。

相談員さんも、その先の支援へつなぐことができる。

 

そして、仕事を担った人には、

地域の誰かから必要とされる役割が生まれる。

 

誰かが一方的に誰かを支えるのではなく、

それぞれができることで、別の誰かを支える。

 

私たちは、そんな関係を地域の中に増やしていきたいと考えています。

 

私たちがつくりたいのは、「月1回ゴミを回収するサービス」ではない

 

今回、一番考えさせられたのは、

mネットとは何なのか。

ということでした。

 

「毎月1回、高齢者宅へゴミを取りに行くサービスです」。

 

もちろん、それは間違いではありません。

でも、それだけではない。

 

今回必要だったのは、

12回訪問することではなく、

12回分の力を一度に使って、止まっていた生活を動かすことでした。

 

家の中からゴミがなくなった。

それによって、

本人の意欲が変わった。

次の支援につながった。

相談員さんが次の関係機関へつなげられる状態が生まれた。

そして、その仕事をmi&goで働く人たちが担った。

 

私たちが見たいのは、

「何袋のゴミを回収したか」

だけではありません。

その仕事によって、誰に、どんな変化が起きたのか。

そこまで確かめたいと改めて思いました。

 

地域の困りごとから、続く仕事を。

 

地域には、

まだサービスの名前すら付いていないような、小さな困りごとがたくさんあります。

制度では拾いきれないこと。

専門業者に頼むには負担が大きすぎること。

誰かが少し手を貸せば動き出すのに、その担い手がいないこと。

 

そうした困りごとを見つけ、

「誰かの仕事にできないだろうか」と考えるわけです。

 

 

今回のmネットも、その一つです。

 

ゴミを片付けることがゴールではありません。

その先で、

本人の生活が動く。

必要な支援につながる。

そして別の誰かに、新しい役割が生まれる。

 

地域の困りごとから、続く仕事を。

まだ生かされていない力を、誰かに必要とされる役割へ。

 

mネットを通じて、私たちはこれからも、その変化を確かめていきます。

 

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