「知っている言葉」を、自分の言葉で考え直す。
2025年度のひっくりラボ・コープラボが終わりました。
一年を振り返って、生徒たちの感想を読んでいると、
「楽しかった」
「勉強になった」
だけではない変化が見えてきました。
それは、
これまで当たり前だと思っていたものを、一度立ち止まって考え直すこと。
コープラボで取り組んだのは、「言葉」でした。

辞書を使うことはあっても、自分で辞書をつくることは、なかなかありません。
でも実際にやってみると、
普段何気なく使っている言葉ほど、説明するのが難しい。
「右とは何か」を、物を使わずに説明してみる。
そんな問い一つでも、簡単には答えが出ません。
知っているつもりを、問い直す。
ある生徒は、
「普段よく使う言葉も、どういう意味かを聞かれると答えられないことが多かった」
と振り返りました。
私たちは普段、誰かがつくった言葉や定義を使って生きています。
でも一度、
「自分なら、どう説明するだろう」
と考えてみる。
すると、これまで見えていなかったものが見えてきます。
言葉の向こう側に、誰かがいる。
今回つくった辞書は、単なる言葉集ではありません。
大切な人を亡くした人。
悲しみの中にいる人。
これから誰かとの別れに向き合う人。
そんな人たちを想像しながら、生徒たちは言葉を考えました。

「正しい定義」をつくるのではなく、
この言葉を受け取る人は、どう感じるだろう。
そこまで考える。
コープラボで扱っていたのは、言葉でありながら、その奥にある「他者との関係」だったのだと思います。
「悲しい場所」という見方も、変わった。
葬儀について、
「別れは悲しいもの」
「お葬式は悲しむ場所」
というイメージを持っていた生徒もいました。
でも、株式会社コープ葬祭の皆さんと一緒に考える中で、
家族を支えること。
思い出を残すこと。
言葉を届けること。
悲しみの中にいる人の心を少し軽くすること。
葬儀という場所にも、さまざまな役割があることを知りました。

ここにも、一つの「ひっくり返し」があったのだと思います。
ひっくり返すのは、答えではなく、見方。
ひっくりラボで大切にしたい「ひっくり返す」は、何かを否定することではありません。
「今までそう思っていたけれど、別の側から見るとどうだろう」
と考えてみること。
言葉も、葬儀も、日常の出来事も、
見る場所を少し変えるだけで、違う意味が見えてくることがあります。
そして、その見方を誰かから教えてもらうだけではなく、
自分で問い、自分の言葉でつくってみる。
コープラボは、そんな一年だったと思います。
何かを上手につくるためだけではなく、
日常を問い直す。
誰かを想像する。
自分の言葉で考える。
そして、今までとは少し違う見方を持って日常に戻っていく。
そんな学びを、これからもつくっていきたいと思います。

メルセダリアンインターアクトクラブの皆さん。
株式会社コープ葬祭の皆さん。
一年間、本当にありがとうございました。

