一般就労できた。そこで終わっていいのか。
就労継続支援A型から、一般企業へ就職する。
それは、本人にとっても、支援する側にとっても、大きな一歩です。
しかし、一般就労に移行した人数だけを見て、「就労支援は成功した」と言い切ってよいのでしょうか。
私たちが本当に考えなければならないのは、その先です。
半年後、一年後も、その人は働き続けられているのか。
仕事や人間関係が変わったとき、自分の状態を伝え、周囲と相談しながら働き方を組み直せているのか。
mi&goは、そこまでを就労支援の成果として考えたいと思っています。
就職後に現れる、大きな段差
やや古いですが、2017年に公表された調査では、一般企業へ就職した障がいのある方の就職一年後の定着率は、次のように報告されています。
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身体障害 60.8%
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知的障害 68.0%
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精神障害 49.3%
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発達障害 71.5%
特に精神障害のある方は、約半数が一年以内に離職していました。
少し前の調査ではありますが、就職することと、働き続けることが同じではないことを示しています。(NIVR)
一方、令和5年度の調査では、精神障害者の平均勤続年数は5年3か月、発達障害者は5年1か月となり、前回調査より伸びています。
障害者雇用を取り巻く環境は、少しずつ前進しています。(厚生労働省)
それでも、就職した瞬間に生じる環境の変化は小さくありません。
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求められる仕事量が増える
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作業のスピードが上がる
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人間関係が広がる
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急な変更への対応が必要になる
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自分から相談することが求められる
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職場独自のルールを理解しなければならない
訓練から就職へ。
その間にある段差が大きすぎれば、本人の能力とは別のところで、働き続けることが難しくなります。
離職を、本人の努力不足や適性の問題だけで説明することはできません。
得意は、仕事の中で見つかる。
一般就労することは、一つの大きな目標です。
しかし、就職できたことだけで、就労支援は成功したと言えるのでしょうか。
就職した後も、その人が自分の力を発揮し、働き続けられているか。
仕事や人間関係が変わったとき、周囲と相談しながら働き方を組み直せているか。
mi&goは、そこまでを就労支援の成果として考えたいと思っています。
就職すると、環境が一気に変わる
就労支援の場から一般企業へ移ると、働く環境は大きく変わります。
仕事量が増える。
求められるスピードが上がる。
関わる人が増える。
急な予定変更や、状況に応じた判断が必要になる。
自分から報告や相談をすることも求められます。
訓練から就職へ。
その間にある変化が大きすぎれば、本人の能力とは別のところで、働き続けることが難しくなります。
離職を、本人の努力不足や適性の問題だけで説明することはできません。
必要なのは、就職する前から、さまざまな仕事や環境を経験できることです。
必要なのは、働くための段階
mi&goは、ゴミ屋さんの現場から生まれた事業所です。
ゴミ屋さんは、街のさまざまな場所を回り、多くの企業や地域とつながっています。
mi&goでは、そのつながりを生かして、一つの事業所の中に、異なる業種の仕事をつくっています。
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自動車ディーラーでの洗車
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農作業
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資源物の回収と分別
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リサイクル分別業務
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企業の段ボール回収
仕事によって、求められる力は異なります。
一人で集中する仕事もあれば、仲間と連携する仕事もある。
決められた手順を正確に繰り返す仕事もあれば、周囲の状況を見ながら動く仕事もある。
屋内の仕事もあれば、暑さや寒さのある屋外の仕事もあります。

mi&goがつくりたいのは、いきなり大きな環境変化を求める働き方ではありません。
仕事の中に段階を増やし、一つひとつの段差を小さくすることです。

一つの現場で経験を積んだら、少し違う現場へ移ってみる。
一人で行っていた仕事を、仲間と協力して行ってみる。
決められた作業だけでなく、自分から報告や相談をする仕事に挑戦してみる。
そうした小さな変化を、同じ事業所の中で繰り返します。
一つの仕事だけで、その人を決めない
mi&goが複数の業種の現場を持っている理由は、働くための段階をつくるためだけではありません。
さまざまな仕事を実際に経験する中で、その人が力を発揮できる仕事や働き方を見つけるためでもあります。
丁寧さを生かせる人。
体を動かすことで集中できる人。
一人で取り組む方が力を発揮できる人。
仲間と役割を分けた方が働きやすい人。
決められた手順を繰り返すことが得意な人。
状況を見ながら動くことが得意な人。
人には、それぞれ異なる仕事の得意があります。
しかし、その得意は、面談や適性検査だけですべて分かるものではありません。
実際に仕事をしてみる。
思うようにできなかったことを振り返る。
別の方法を試してみる。
違う仕事にも挑戦してみる。
その経験を通して、本人自身も「自分は何が得意なのか」「どのような環境なら力を発揮できるのか」に気づいていきます。

一つの仕事がうまくできなかったからといって、その人に働く力がないとは限りません。
仕事との組み合わせが合っていなかっただけかもしれません。
だからmi&goは、一つの仕事だけで、その人を決めません。
支援者が先に答えを決めるのでもありません。
本人と一緒に働きながら、得意なこと、苦手なこと、力を発揮できる環境を確かめていきます。
得意は、仕事の外から与えられるものではなく、仕事の中で見つかっていくものだと考えているからです。
本人だけを、社会に合わせない
ただし、本人が自分の得意を知り、変化に慣れるだけでは十分ではありません。
仕事や環境が変わったときに、
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自分の得意なことと苦手なことを理解する
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困ったときに相談する
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必要な配慮を言葉にする
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失敗を振り返り、もう一度やってみる
そうした経験を重ねる必要があります。
同時に、受け入れる企業側も、仕事のつくり方を考える必要があります。
仕事の手順を見えるようにできないか。
役割を分けられないか。
相談する相手を明確にできないか。
指示や評価の伝え方を変えられないか。
本人だけに職場への適応を求めるのではなく、本人と企業の間にある仕事を組み直す。
本人の得意なことを、企業の中で必要とされる役割につなげる。
そこまで取り組んで、初めて、働き続けられる環境が生まれるとmi&goは考えています。
「就職できた」の先をつくる
一般就労に送り出した人数だけを、私たちは成果にはしたくありません。
その人が半年後、一年後も働き続けているか。
自分の得意なことを生かせる仕事に出会えているか。
環境が変わっても、周囲と相談しながら働き方を組み直せているか。
そして、受け入れた企業の仕事のつくり方や関わり方にも、変化が生まれているか。
mi&goは、そこまでを確かめていきます。

街の中にあるさまざまな仕事をつなぎ、働くための段階と選択肢を増やす。
実際に働く中で、一人ひとりが自分の得意な仕事や、力を発揮できる環境を見つけていく。
そして、その得意を生かせる仕事を、企業とともにつくっていく。
「就職できた」の先に、「自分の力を生かして働き続けられる」をどうつくるのか。
これは、mi&goだけでは答えを出せない問いです。
だからこそ、私たちは企業や地域とともに、実践を重ねていきます。
あなたの会社にある仕事も、誰かが自分の得意に気づき、力を発揮する仕事になるかもしれません。
ともに、働き続けられる仕事をつくりませんか。

