【A型事業所】mi&goが2026年度に追いかける、一つの数字
就労継続支援A型事業所の成果は、何で測ればいいのでしょうか。
働いた日数。
一日の労働時間。
支払われた賃金。
一般就労につながった人数。
どれも大切な数字です。
けれど、その手前に、もう一つ確かめなければならない変化があると、私たちは考えています。
それは、
「仕事を任されるようになったか」
という変化です。

「ここにいていい」で終わらせない
安心して過ごせる場所があること。
自分を受け入れてくれる人がいること。
それは、働き続けるための大切な土台です。
しかし、mi&goが目指しているのは、そこだけではありません。
仕事を任される。
仲間から頼られる。
お客様から必要とされる。
そして、自分が担える仕事や、将来選べる仕事が増えていく。
「ここにいていい」から、
「あなたにいてほしい」へ。
mi&goのビジョンである「いらないをつくらない」を実現するためには、
働く場所を用意するだけでなく、一人ひとりが担える役割を増やしていく必要があります。
そこで、2026年度のテーマを決めました。
任される仕事を、ひとつ増やす。
今年度後半、mi&goが最も重視するKPIは、
「継続して任される役割が、一つ以上増えた利用者の割合」
です。
単に、新しい作業を一度経験しただけでは数えません。
お客様や職場の仲間にとって必要な仕事であること。
仕事の開始から、完了の確認、報告まで、自分の担当として関わること。
そして、一定期間、継続して担っていること。
これらを満たしたものを、「任される役割」として記録していきます。
受付を担当する。
リサステに来られたお客様をご案内をする。
資源物の分別をする。
場内の清掃を行い、最後の確認まで担う。
備品や在庫を管理する。
新しく入った人に、仕事の手順を説明する。
役割の形は、一人ひとり異なります。
大切なのは、全員に同じ仕事ができるようになってもらうことではありません。
その人が担える仕事を見つけ、継続して任せられる役割へと育てることです。
一人で何でもできることが、目標ではありません
「任される仕事を増やす」と聞くと、
一人で仕事ができるようにならなければならない。
もっと頑張らなければならない。
失敗してはいけない。
そのように感じる方もいるかもしれません。
しかし、mi&goが考える「仕事を担う」とは、誰にも頼らず、一人ですべてを解決することではありません。
分からないときに確認する。
困ったときに相談する。
体調が悪いときに伝える。
間に合わないときに助けを求める。
こうした行動も、仕事を担うために必要な力です。

一般企業で働く人も、すべての仕事を一人で完結しているわけではありません。
上司や同僚に相談し、周囲と協力しながら、自分の担当する仕事を進めています。
必要な支援や相談を利用しながら、自分の仕事として最後まで関わる。
それが、mi&goの考える「任される」という状態です。
この数字は、利用者に課すノルマではありません
ここは、最も大切なところです。
「継続して任される役割が増えた利用者の割合」は、利用者を順位づけしたり、能力を評価したりするための数字ではありません。
これは、mi&go自身を評価するための数字です。
新しい仕事に挑戦したものの、うまく進まなかった。
そのようなときに、
「本人の能力が足りなかった」
だけで終わらせてしまえば、仕事も役割も増えていきません。
仕事の説明は分かりやすかったか。
どこまで行えば完了なのか、明確になっていたか。
作業の手順や道具は適切だったか。
本人に合った仕事量だったか。
困ったときに相談できる相手が決まっていたか。
むしろ、仕事をする側に求める変化ではなく、
仕事の任せ方や職場の環境も見直すための、mi&go側への目標設定であります。
役割が増えなかったとすれば、本人だけの問題ではありません。
mi&goが、任せられる仕事を十分につくれなかった可能性もあります。
だからこそ、このKPIは利用者に対するノルマではなく、mi&goが仕事づくりと支援体制を改善するための約束なのです。
役割を増やすために、5つの仕組みをつくります
まず、一人ひとりが現在どのような仕事を担っているのかを整理する「役割マップ」をつくります。
そのうえで、本人と相談しながら、「次に挑戦してみる役割」を一つ決めます。
新しい仕事に挑戦するときには、いつでも確認や相談ができるバディを決めます。
朝礼では、
今日、自分が担当する仕事は何か。
どこまで行えば完了なのか。
いつまでに行うのか。
困ったときに誰へ相談するのか。
を確認します。
うまくいかなかった場合は、本人に同じ方法を繰り返してもらうだけではなく、手順、道具、配置、時間、説明方法、役割分担などを見直します。
仕事を人に合わせる。
人と仕事の間にある障壁を減らす。
そして、もう一度試す。
この改善を繰り返しながら、継続して任せられる役割へと育てていきます。
担当業務完遂率は、日々の改善に使います
日々の現場では、「担当業務完遂率」も確認します。
担当業務完遂率とは、任された仕事について、完了の確認と報告まで担えた割合です。
ただし、この数字を上げること自体が最終目的ではありません。
簡単な仕事だけを任せれば、完遂率を上げることはできます。
しかし、それでは本人が担える役割も、将来の選択肢も広がりません。
担当業務完遂率は、
仕事の説明が伝わっているか。
仕事の設計に無理がないか。
バディ体制が機能しているか。
相談や報告ができる状態になっているか。
を確認するための、日々の改善指標です。

担当業務を完了まで担えるようになる。
その仕事を継続して任されるようになる。
そして、新しい役割が一つ増える。
この順番で変化をつくっていきます。
地域の困りごとから、新しい仕事と役割をつくる
mi&goが目指しているのは、事業所の中にある仕事を利用者に割り振ることだけではありません。
地域には、まだ仕事として扱われていない困りごとがあります。
高齢になり、ごみを自分で運ぶことが難しくなった。
地域や企業の中に、必要だけれど担い手がいない仕事がある。
人手不足によって、十分に手が回っていない業務がある。
mネットでは、地域の中にある困りごとを見つけます。
ひっくりラボでは、高校、大学、企業、地域の人たちと一緒に、その課題を新しい仕事や仕組みへと変えていきます。
そして、リサステやmi&goの仕事の現場で実際に試し、改善します。

地域の困りごとが、新しい仕事になる。
新しい仕事が、誰かの役割になる。
その役割を担うことで、本人のできることや選択肢が増えていく。
これが、mi&goの考える「いらないをつくらない」の実践です。
目標だけで終わらせず、結果も公開します
まずは、mi&goで働く一人ひとりについて、現在どのような役割を担っているのかを確認します。
その現状を踏まえて、年度後半の具体的な目標値を設定します。
年度末には、
継続して任される役割が増えた人の割合。
どのような仕組みを実施したのか。
どのような変化が生まれたのか。
うまくいかなかったことは何か。
次年度に何を改善するのか。
をホームページで公開します。
目標を掲げるだけなら、広告で終わります。
結果を確かめ、うまくいかなかったことも含めて次の改善につなげてこそ、組織としての約束になります。
任される仕事を、ひとつ増やす。
働く場所があることを、ゴールにしない。
仕事を任されること。
仲間や地域から頼られること。
自分が担える仕事と、将来の選択肢が増えていくこと。
「ここにいていい」から、
「あなたにいてほしい」へ。
2026年度後半、mi&goは、一人ひとりの「任される仕事を、ひとつ増やす」ことに取り組みます。
そして、そのためにmi&go自身が、仕事のつくり方と任せ方を変えていきます。

